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丘と水路と橋と火を

言葉と方法

散文

「定型っぽく読める」を考える

1 序論——定型っぽく読める? 歌会など、短歌作品を数名で読んでいるときのことだ。参加者の一人がある歌を一読して、その歌に対する評に移る。私を含めた数名がそれを聴いている。評者による批評が進行して、歌の韻律についての話が持ち上がると、評者が「こ…

中庭の木

文芸部の部室の窓からは、ちょうど中庭の木が見える。何という名前の木かは知らない。中庭の湿っぽい地面に確かな根を張って、校舎と同じくらいの高さの身体を支えている、木。放課後、晴れていたなら葉の隙間から夕日が差し込むのだけど、その夕日は淡く、…

いつからか本が読めなくなった。 時間的な制約があるわけでも、肉体的な制約が生じたわけでもない。本によって、文字によって、情報を得ることがなくなったわけでもない。ただ、本に没頭するということが、自分のなかから抜け落ちたようだった。いつからか記…