丘と水路と橋と火を

言葉と技術

書いたもので2018年をふりかえる

はじめに

2018年ももうすぐ終わり。

大変ありがたいことに、今年もいろいろな原稿を書かせていただきました。

例年はその年発表した原稿を一覧にまとめて画像にしていたのですが、「せっかくまとめても画像だとリンクにならないし手軽に読めないな」と思い至ったため、今年はこちらにまとめます。

1月

 2月号(と言いつつ1月には出ている)から3ヶ月間、「短歌研究」にて「最近刊歌集・歌書評・共選」を担当。

40冊ほどの歌集・歌書が毎月ダンボールでどさっと届くので、毎回ちょっと笑ってしまう。

修論を書き進めるかたわらで、それらをせっせと読んでいました。

「世の中にはこんなにたくさん良い短歌の本が出ているんだな」と、これまでの自分の視野の狭さを痛感。

 

短歌バトルに出た縁もあり、「短歌」の特別企画に参戦。

隣のページは最近『惑星ジンタ』を出版した二三川練さん。

 

惑星ジンタ (新鋭短歌シリーズ44)

惑星ジンタ (新鋭短歌シリーズ44)

 

 

 

2017年から書いてきていたWebサイト「詩客」での自由詩評最終回。

何者かになりたいという願い、なかなか難儀。

松本圭二について教えてくれた友人の瑞田卓翔さんには大きな感謝を。

おかげでまたひとりとても大好きな詩人に出会うことができました。

普段短歌や詩歌をしない昔馴染みの友人から文章を褒めてもらったのもとても嬉しかった。

 

2月

「十首でわかる短歌史」、ほかの方が書いているのをおもしろいなあと呑気に眺めるくらいだったのですが、ついに自分にきたのかとビビりました。

自分は書きながら学ぶタイプですが、この原稿は書いていて本当に勉強になった。

「共鳴」はこの頃ぼんやりと自分自身で考えていたテーマでしたが、このテーマに沿って読むと、時代も歌の方針も全く異なる藤原定家斎藤茂吉の主張が同じことを言っているように見えてきて、とても面白く感じた記憶。

「共鳴」についてはもう少し掘り下げて、また書きたいなと思います。

 

 

連載2回目。ダンボールの取り扱いに慣れる。

 

東北大学短歌会から卒業。

この月またひとつ歳をとりました。

 

3月

個人的にはかなり気に入っていた連作。

この5首、大辻隆弘さんからコメントをいただけたりもして、とても運の良い5首でした(ありがとうございました!)。

 

短歌会マップを更新。

2019年も更新しようかなと、今の所は思っています。

 

連載最終回。非常に読む/書く力を鍛えてもらった連載でした。

本当にありがとうございました。 

 

あと入籍しました。みなさまお祝いありがとうございました。

ただ、入籍ツイートに 200ふぁぼも来たのに、普段の原稿発表ツイートに10ふぁぼくらいしかこない。解せぬ。

 

この月、長く在籍していた東北大学大学院を修士(工学)として修了。

学部時代も含めて6年間お世話になりました。

 

4月

社会人になりました。

同期からは苗字か「歌人」か「佐藤佐太郎」かのいずれかで呼ばれます。

 

5月

3月に取材していただいていたstoneさんの記事が公開。

写真や文面がかっこよくて、これは詐欺なのではないだろうかとひとりおろおろしていました。

かっこいい記事になっているのは、すべてstoneのみなさまのおかげです。本当にありがとうございました。

 

現在も文字数・行数で指定がある依頼原稿はstoneで執筆しています。

とても良いエディタなので、macOSを使っているみなさまはぜひ。

 

原稿もいろいろ落ち着いたし新しいこと考えるか〜〜〜とのんびりしていたら、「詩客」のNさんに「待ってました」と呼び止められる。

初回は短歌と人工知能について。

連載ですが、ご迷惑をおかけしつつも「詩客」のみなさまのおかげでなんとか書けています。

 

計量的に短歌を分析する、ということを長らく考えているのですが、先行して様々な分析をされている久真さんにコメントをいただけて嬉しかったです。

 

現代詩手帖」に作品を投稿したりしていました。

作品投稿自体久しぶりだし、「現代詩手帖」に出すのは初めてだしで、とても良い刺激になりました。

 

6月

特に動きはなし。

Javaと戯れていました。

 

7月

仙台に戻る。

現代詩手帖」での掲載2回目。

継続して作品を送ることの面白さや大切に気づかされました。

と言いながら、この回を境にまた送れていないので反省。

 

8月

「詩客」連載2回目。

妻に手伝ってもらって、ようやく書き上げた原稿。

すぐ身近に文章をレビューしてくれる人物がいるということのありがたみを感じた次第。

 

小野茂樹について書く。

前年の東北大短歌の古本屋吟行で久我田鶴子『雲の製法』を入手していたことが、この原稿を書くときの大きな助けになりました。

『雲の製法』、なかなか手に入りにくい本ですがとてもおすすめです。

 

短歌甲子園の審査員、今年も担当させていただきました。

なかなか大変ではあるのですが、毎年高校生の皆さんの作品を浴びることができるので本当に楽しく担当させていただいています。

今年は短歌甲子園出身で、後輩にあたる武田穂佳さんも審査員に。

短歌甲子園1日目は盛岡市内を巡るツアーなのですが、武田さんと一緒に100首詠を行ったのも良い思い出。

このときの100首、いずれもまだどこにも出していないので機会を伺っています。

 

9月

山下翔キャラバン in 仙台。

歌会も飲み会も大暴れな1日でした。

 

山下翔『温泉』、とても良いのでおすすめです。

歌集 温泉 (gift10叢書)

歌集 温泉 (gift10叢書)

 

 

 

10月

単純に読みたくて現代短歌社に山下翔『温泉』を注文したところ、Mさんに呼び止められる。

山下翔作品を読み解くというのを意識的にさせてもらえて、とても良い機会でした。

タイトルは春くらいから読んでいた大森荘蔵の影響が強い。

 

11月

「詩客」連載第3回。

短歌甲子園で提出された作品を読み解いています。

自分が高校生の頃、作品を取り上げてもらえることって全然なかったのもあって「できる限り多くの選手の作品を取り上げたい!」と思っていたのですが、力及ばず。

ここに取り上げていなくても、全部しっかり読んでいます。

腐らず、自分を信じて、自分を疑って、短歌を続けてくれる人がひとりでも多くいたらいいなと思います。

(と言いつつ、短歌以外に楽しいことがあって、それをやりたいときは、思う存分短歌を離れて、楽しい方をやってほしいなとも思う)

 

2018年はなんだかインタビューが多い。

これまでの活動について話しているほか、新作短歌も掲載。

「Triの7号出ます〜」とか言ってたら、予定が変更になってしまった(その節は本当に「NHK短歌」のみなさますみませんでした……)。

 

12月

特になし。

社会人としてたのしく働きながら、2019年に向けた活動を、少しずつ行っています。

「社会人になったら短歌から離れるんだろうか」とか思っていた時期もありましたが、現状ではあまり変わらず、これまで通り楽しんで活動できているので幸せです。

 

2019年の話

すでに2019年発表分の原稿を1本送付済み。

2019年の早い段階でみなさまにお目にかかれるのではないかと思います。

また、「詩客」連載最終回のほか、別の原稿についてもお引き受けしています。

書かせてもらえる機会があるというのは本当にありがたく、また光栄なことですので、頑張って書き続けていきたいと思います。

 

2018年の反省は、発表作品の比率で短歌よりも文章がかなり多くなってしまったこと。

東北大短歌などを離れて作品発表の場が少し減ったこともあり、今年はあまり短歌作品の発表ができませんでした。

反省を踏まえ、2019年は短歌作品の発表も継続的に行うよう工夫していけたらと思っております。

とりあえず、「塔」誌面での月詠には3月から復帰いたします(すでに3月分は送付済み)。

 

最後に

2018年も、みなさま本当にありがとうございました!

2019年も、みなさまにとって良い年となりますことをお祈りしております。

どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。