丘と水路と橋と火を

言葉と技術

短歌

おれの短歌・オン・ゲームボーイアドバンス

TL;DR おれの!!短歌!!オン・ゲームボーイアドバンス!!!!!! pic.twitter.com/bzBNAM0gfa— hiroki asano (@ashnoa) 2022年6月19日 西田亙『Linuxから目覚めるぼくらのゲームボーイ!』(ソフトバンククリエイティブ、2003年)がめっちゃいい。 手っ…

短歌は〈わたしたち〉の文学である

序 短歌は〈私〉の文学か? 短歌は〈私〉の文学である――本当に? 明治中期の和歌革新運動にはじまる個の意識の発展と近代短歌への移行。アララギ派による写実主義の歌壇全体への浸透、その主義のモラル化による自我表現の硬直や画一化。そして戦後の前衛短歌…

短歌共鳴論(ver.0.2.1)を公開します

まえがき 短歌総合誌「現代短歌」にて予告を打っていただき、掲載を予定していた「短歌共鳴論」について、諸般の事情により誌上での掲載が取りやめとなりましたので、すでに制作済みの原稿について本ブログにて公開いたします。 「諸般の事情」などというと…

掲載情報2020.1.16(と、こぼれ話)

掲載情報‪ 「歌壇」2020年2月号に、田中拓也歌集『東京(とうけい)』についての書評として、「明日のための記憶」という文章を寄稿いたしました。 『東京』、読み応えのある一冊です。読書のお供に、わたしの書評もどうぞよろしくお願いいたします。‬ こぼ…

歌会に向く短歌? 歌集に向く短歌?

ご質問ありがとうございます。 そして、時間が経ってからの回答になってしまって申し訳ありません。 質問の内容は、先日公開した「良い短歌のつくりかた」についてですね。 ashnoa.hatenablog.com 〈良さ〉と〈好き〉のどちらか片方が他方よりも重要になると…

歌会をしたいひとのためのマニュアル

まえがき 先日、文芸をしている高校生のみなさんを対象に、短歌についての講演を行いました。 ashnoa.hatenablog.com この講演のなかで「歌会はいいぞ」ということもお話ししたのですが、終わってから「でも、自分が高校生の頃、歌会ってどうやっていいのか…

スライド「良い短歌のつくりかた—高校文芸からの10年で考えたこと—」を公開しました。

良い短歌のつくりかた—高校文芸からの10年で考えたこと— from Hiroki Asano 先日、「第29回秋田県高等学校文芸祭」に呼んでいただき、「良い短歌のつくりかた—高校文芸からの10年で考えたこと—」という演題で講演をさせていただきました。 その際の資料をSli…

口語の歌はどのように詠われてきたか

Ⅰ:緒言——口語という特殊 こうご【口語】① 書き言葉に対して、話すときに用いる言葉づかいをいう。音声言語・話し言葉・口くち言葉などともいわれる。② 現代の話し言葉、およびそれに基づいた書き言葉。現代語。▽⇔ 文語 〔明治以前の時代に使われた言葉につ…

書いたもので2018年をふりかえる

はじめに 2018年ももうすぐ終わり。 大変ありがたいことに、今年もいろいろな原稿を書かせていただきました。 例年はその年発表した原稿を一覧にまとめて画像にしていたのですが、「せっかくまとめても画像だとリンクにならないし手軽に読めないな」と思い至…

「歌を作ることが怖い」という人へ

はじめまして。短歌甲子園をご贔屓にしてくださりありがとうございます。「歌を作ることが怖い」というのは高度な恐怖だと思えて、僕が問題を捉えられているかわからないのですが、感じたことを書いてみますね。 ご質問を読んでいて思ったのは、「歌を作るこ…

短歌に興味がある人のための全国短歌会マップ(学生短歌会・超結社編)2017年4月版

全国短歌会マップ(学生短歌会・超結社編 Ver. 3.1) 誰かと一緒に短歌を楽しむことができる場は、全国に数多くある。 しかし短歌をはじめたばかりの人や、これから短歌のコミュニティを探し始めるという人からしたら、いったいどこにどんなコミュニティがあ…

国立国会図書館デジタルコレクションで読める個人的歌集リスト

本を買うにはお金がかかる。 しかし、世界には読みたい本・興味を惹かれる本が山ほどある。 この世は残酷である。 そんな時、図書館を使うというのはひとつの有効な手段である。 特に読みたい本がすでに出版からかなりの年月が経ったものである場合、さらに…

Amazonでいま買える、あなたに読んでほしい「短歌」の本

立場上*1、よく後輩や高校生から「短歌の本でおすすめありませんか?」と聞かれる。 そういうときは様々な歌人の作品を読むことができるアンソロジーを勧めたり、好きな短歌・歌人を訊いてその人が好きそうな本を勧めたりしている。 だが、そういう話をした…

「定型っぽく読める」を考える

1 序論——定型っぽく読める? 歌会など、短歌作品を数名で読んでいるときのことだ。参加者の一人がある歌を一読して、その歌に対する評に移る。私を含めた数名がそれを聴いている。評者による批評が進行して、歌の韻律についての話が持ち上がると、評者が「こ…