MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2015)にUbuntu Desktop 22.04.1 LTSをインストールする
TL;DR
2023年初夜更かしで古い方のmacbook pro(2015 early)にUbuntu入れた。いろいろ設定も完了してまたしばらくサブ機として使えそう。 pic.twitter.com/0u086Hl4Y7
— hiroki asano (@ashnoa) 2023年1月2日
- MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2015)にUbuntu Desktop 22.04.1 LTS を入れた。これはそのときに役立った情報源のまとめ。
- 今のところかなり快適に利用できていて、これでまた数年は使用できそう。
まえがき
以前までMacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2015)をメイン機として使用していた。発表から7年が経過したこともあって、macOS Venturaへのアップデート対象からは外れてしまい、OSとしてはmacOS Montereyが最後となった。おそらくもうしばらくはサポートされることになると思うけれど、そろそろ買い換えのタイミングかなと思い、MacBook Air (M2, 2022)を購入し新たなメイン機に据えた。
新メイン機の動作は快適。ただ旧メイン機も最新OSへのアップデートが途絶えたとはいえまだまだ動作しており、このまま眠らせるのは勿体無い。そこで今回、旧メイン機をUbuntu Desktop 22.04.1 LTS専用機としてOSのサポートが継続された状態で使用することにした。これにより、2027年4月までは無料のセキュリティアップデートとメンテナンスアップデートが保証されるようになる。
今回Ubuntuを導入するMacBookのスペックは以下の通り。なお、上述の通り既存のmacOSとのデュアルブートではなく、Ubuntu専用機とした。
- MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2015)
ライブUSBの作成とインストールのための基本的な流れ
まずUbuntuのライブUSBの作成からインストールまでを、以下を参考に実施した。ライブUSBには、既に使用機会がなくなって部屋に転がっていた8GBのUSBを利用した。容量としては4GB程度あれば十分だと思う。
ライブUSB経由でインストールを実施していく際には、以下の記事をさらに参考にした。インストール時には既にWifiも利用可能で、インストール後に確認したところオーディオ・内蔵マイクなども特に設定せずとも利用可能な状態になっていた。MacBookを閉じると自動でサスペンドもしてくれる。2015年のモデルはマシンのアップルマークが光るタイプだが、それもサスペンドの状態に合わせてしっかり点灯・消灯してくれるので地味に嬉しい。
上記に従って概ねスムーズに設定作業は進んでいたが、LivePatch、キーボード、トラックパッドでのジェスチャー、GNOME Tweaks、内蔵カメラについてはさらに別の情報源にあたって設定する必要があった。
LivePatch設定の注意点
最初インストール後の初期設定の画面からLivePatchを設定しようとしたが、Ubuntu Oneアカウントを作成してセットアップしようとしても接続に失敗。
一旦初期設定時には設定せずに、後から以下の記事などを参考に「ソフトウェアとアップデート」を開き、別途Ubuntu Proのページから取得したFree Personal Tokenを利用して設定することで、Live Patchを有効化することができた。
キーボード設定の注意点
当初先述の記事に従ってキーボードの設定(かな・英数キーによる日本語入力切り替えなど)を設定しようとしていたが、記事の通りに設定を進めてもかな・英数キーがうまく認識されていなかった。
いろいろみていたが、どうやらUbuntu 22.04 LTS以降デフォルトのディスプレイサーバーとなったWaylandが良くない様子。以下の記事の手順に従い、ディスプレイサーバーをWaylandから従来のXorgに切り替えて設定を進めると、日本語入力切り替えを含め問題なくキーボード周りの設定を進めることができた。
ジェスチャー設定の注意点
Waylandだと初期状態でもわりとmacOS的なトラックパッドのジェスチャーに反応してくれていたように思うが、Xorgでは設定しないと特に反応はなく、使い勝手が悪い。そこで先述の記事にしたがってlibinput-gestures
を利用してジェスチャーを設定しようとしたが、以下の点については注意が必要そうだった。
libinput-gestures
のREADME.md
にはしっかり記載しているが、ユーザー自身の設定するジェスチャーの設定は~/.config/libinput-gestures.conf
におく、ということらしい。- 先述の参考にした記事中では特に注意などなくこのファイルが出てくる。
libinput-gestures
のインストール時にはデフォルトで用意されているジェスチャーの設定ファイルなども併せて用意・表示されるため、うっかり自分用の設定をデフォルトの設定の方に書き込みそうになった。
- 先述の参考にした記事中では特に注意などなくこのファイルが出てくる。
libinput-gestures
の設定ファイル編集後に実行するコマンドは、libinput-gestures-setup autostart start
で良さそう。- このコマンドを実行するとき、
"libinput-gestures failed to start as a desktop application"
というようなエラーが表示されてうまくstart
できなかったが、以下の記事を参考にnewgrp input
を実行することで正常に起動できるようになった。
- このコマンドを実行するとき、
GNOME Tweaksの設定
当初参考にした記事内ではgnome-tweak-tool
をインストールしていたが、今回自身でインストールしようとしてもうまくいかず。現在ではどうやらgnome-tweaks
を導入することでOKな様子。以下などを参考にgnome-tweaks
とgnome-shell-extensions
を導入してCapsキーなどの設定を行った。
内蔵カメラを利用可能にする
初期状態では内蔵されているFaceTime HDカメラがうまく動作していない。そこで以下の記事を参考に、FaceTime HDカメラ用のドライバーをインストールした。
なお、bdc_pci
というモジュールは自身の環境ではロードされていないようだった。一応、ブラックリストには登録だけしておいた。
その他アプリ関連
Vim
普段macOSやWSLで使っている.vimrc
を利用しようとしたら、うまく動作しないことに気づく。どうやらUbuntuに最初から入っているVimはtinyと呼ばれるほとんど機能が有効化されていないものらしく、機能を有効化したVimを新しく入れ直してやる必要があるらしい。
sudo apt install vim
だけ実行して、これまで通り利用可能な状態になった。デフォルトで入っていたtiny版のVimは特に削除などはしていないが、いまのところ問題はなさそう。
Ulauncher
記事にしたがってUlancherを入れてみている。シンプルだが個人的な利用の範囲では十分で、結構いい感じ。
Peek
今回設定しているUbuntuでは、Ctrl+Alt+Shift+R
でかなり高機能な画面キャプチャが利用できるが、直接GIFで画面を動画としてキャプチャしたい場面(操作説明などをする機会とか)がありそうだったので、Peekを導入。
そのほか
- よく利用しそうなところとして、VSCode、Zoomをひとまず入れた。
- そのうちマークダウンエディタとしてTyporaは入れてみたいかも。
あとがき
作業前はMacBook Proの内蔵デバイスなどがどこまで利用可能な状態になるのかなど不安に思う点もあったのだが、実際にインストールして設定してみると想像以上に使いやすいことに驚いた。サブ機としてこれからもしばらく活躍してくれそうだし、普段使いにも重宝しそう。個人的には大満足の出来だった。
サポート切れが間近なMacBookを持っている方は、一度Ubuntuの導入を検討してみてもいいかもしれない。自己責任ではあるが、バックアップなどをしっかり取った上であれば試してみる価値はあると思う。